本記事では、コピーライターとライター、そしてWEBライターの違いを、私の実体験を交えて整理します。この質問は、友人や知人からしばしば聞かれます。コピーライター歴30年の私が、現場で感じてきた肩書ごとの役割の違いやその境界線について、自分なりの考えをまとめてみました。
その違いを発注経験を通して体感しているクライアントから聞かれることはありませんが、異業種の人や友達からは聞かれることがままある質問です。特にコピーライターとライターの違いについては本当に何度も聞かれてきました。今回は混同されがちな肩書と仕事内容について、コピーライター歴30年の私がつらつらと語ってみます。
コピーライターは何をする仕事?
言葉を使うけどそれだけの仕事ではない。
企画やマーケティング的な視点も必要。
企画書や提案書も書く。
制作物以外も提案する。
クライアントの代弁者であり生活者との橋渡し。
クレームになりそうな表現はできない。
100案出せの精神が根づいている人が多い。
コピー以外に企業のタグラインも商品のネーミングも。
長いコピーも普通に書く。
広告も販促ツールもPR誌もwebも。
撮影にも立ち会う。
私はプロフィールで「ライター的な業務も大好き」と書いていて、一般的な雑誌に掲載する「お店紹介やアイテム紹介を100文字で」と言われたら、おそらく問題なくできます。タイトルも含め、2パターンでも3パターンでも書けるでしょう。
ではどんなライター的な業務が無理かというと、たとえば「百貨店アパレル業界の事情を数十年追いかけてきて精通している人」が書くファッションや百貨店の記事には太刀打ちできません。私自身の中にコンテンツがないからです。要は、特化した専門分野があるライターさんやジャーナリスト的なライターさんが書くものには及ばないということです。
ライターとの違いはどこ?
ライターさんにいわせれば、「ライターといってもいろいろあるのよ」かもしれません。私も正確に把握しているわけではありませんが、30年の間にライターさんとかかわる機会もあったので、その経験をもとに書きます。
コピーライターとライターの仕事があいまいになっている一因は、PR誌などのページものとweb媒体で両者のどちらもが活動しているからです。でも私が経験した範囲では、雑誌のライティングをしているコピーライターには会ったことはありません。反対にマス広告やネーミングなどをライターさんが受注しているケースも知りません。主に雑誌や書籍はライターさん、広告はコピーライターの縄張りといえるでしょう。
ページものを受注して合計5人のコピーライターとライターさんにお手伝いをお願いした際、納品物が明確に違いました。文章もWord原稿の見せ方も違ったのです。この経験から、両者が入り混じるPR誌やwebに掲載されている文章を見て、どちらの職業の人が書いたのかをだいたい見分けられる自信がつきました。ライターさんとwebライターさんの違いもなんとなくわかります。
私もWEBライター?
WEBライターを素直に読めば、webメディアに書いているライターさんを指します。
私もweb案件ではコピーも長めの記事も書きます。ライターさんも同じくのはず。たとえば雑誌のライターさんが書いたものがその雑誌の公式サイトに掲載されても、WEBライターとは名乗らないでしょう。私がいくらweb媒体の仕事をしたとしても、肩書は「コピーライター」であり「今回はたまたまwebに掲載されるものを書いた」というスタンスです。
となると、webメディアだけまたはwebメディア中心に書いているライターさんがWEBライターなのだと理解しています。
資格はないので名乗った者勝ち!?
肩書に関していえば「資格はないので名乗った者勝ち」な側面もあります。ある案件で手伝ってもらっていたライターさんが何度も「私はコピーライターでもあります。コピーも書けるんです」としきりに言います。何度も繰り返すので、別件の企業スローガンの提案を手伝ってほしいとお願いしました。
すると「短いコピーは苦手で、長いコピーが得意なんです」と辞退されました。どうやら彼女にとっての「コピー」とは、商品が並ぶカタログに掲載する商品紹介を指していたようです。
肩書はあくまで自己申告。その背景にある得意分野や定義も人それぞれです。その人が名乗りたい肩書は尊重する。ただ、実際に現場で求められることと、本人が提供できるスキルが一致するかどうかは、また別問題。相手に何ができるのかはきちんと見極めなければと感じたエピソードです。
最後に(まとめ)
役割と得意分野の違い: コピーライターはコピーやネーミングなどを通してクライアントや商品の魅力を伝えることが中心、ライターは専門知識や取材をもとに情報を届けることが中心という傾向があります。扱う媒体や目的によって、求められる技術が少しずつ異なります。
「何を書くか」で変わる立場: Webメディアで執筆することも多々ありますが、あくまで「コピーライターとしてWeb掲載用の原稿を書いている」というスタンスです。同じWebの仕事でも、Webメディアを主戦場にされている方とは、また少し視点が違うのかもしれません。
どう名乗っているかを尊重する: 職業の定義は時代とともに流動的で同じ制作物を違う肩書の人がライティングしていることはままあります。その人が名乗っている肩書を尊重するようにしています。

