本記事では、コピーライターとして30年働き続けてきた私が、ついつい気になってしまう「素人っぽいと感じる文章のポイント」を挙げます。Webメディアや販促物において、プロとしての細やかな視点が生きた品質管理がなされているかどうかは、細部の積み重ねで決まります。ライティングに携わる私が考える、一度立ち止まって見直すべき「文章のチェックリスト」としてお読みください。
コピーライターという職業柄、広告や販促物を純粋な視点で見ることができません。どういう企画でつくられたのか、この表現は揉めていそう、撮影が大変そう、このビジュアルだと商品が見えにくい、長体平体使い過ぎ!などなど、あれこれと想像するのです。同時に、そのビジュアルやコピーをチェックしてOKを出したクライアントの品質管理基準まで測ってしまう余計なお世話モードも全開です。
文字が多めの販促物やインターネットの文章だと、意地悪さがちょっぴり増します。どれくらい気を配って書かれたか、ここはもっと整えようがあるなどのチェックがやめられません。今回は、そんな私が長いコピーや文章を読んで素人っぽいと感じるポイントを挙げます。
修飾語の位置
▲とても梅の花が美しい。
○梅の花がとても美しい。
頭に浮かんだ口語のまま書いているのがわかります。校正しても見逃されやすい部分です。
主語の位置
前項と似ています。
▲小春さんは歌いながら料理をする夫に話しかけた。
歌っているのは小春なの?夫なの?
文末が同じ
「~です。」「~です。」や「~ました。」「~ました。」と同じ文末ばかりで書かれていると、小学生の作文感が一気に増します。
同じ言葉ばかり使う
たとえば、「見る」を何度も使っていたりします。「見る」でなければならないという必然性がないのであれば、「見やる」「視線を向ける」「目をやる」「眺める」などいろんな置き換えが可能。なんなら1回や2回くらい「見る」という意味の動詞を省いても成立することもあります。細部にまで注意を払っていない文章だと感じます。
表記のゆれ
表記のゆれについては広く知られるようになってきた感があります。それでもゆれている文章がよくあります。チェックする人がいないの?と突っ込んでしまいます。
そこ、漢字?
漢字は本当に優れた存在。ひらがなばかりの文章は読みにくいです。でも、そこ漢字にする?という言葉まで漢字で書いていると、もやもやします。代表的なのは「事」とか「出来る」などです。ビジネスメールだと「宜しく」や「致します」もひらいていいのにとよく感じます。
二重カギカッコでしょ!
文章中のキーワードや重要な部分を目立たせたい場合に使うカッコは、その制作物内で統一されていればどんなものでもいいと思っています。ただ、二重カギカッコの扱いは別。書籍名や映画のタイトルなどは必ず二重カギカッコにしたい。徹底されていないと突っ込みたくなります。
書き起こし原稿?
取材や対談の記事の中には、口語のままだらだら書いている冗長な原稿があります。「その『はい、そうですね。』って要る?まるで書き起こし原稿みたい」と本当に気になります。詳しくは「書き起こし原稿のような取材記事や対談記事にしないために」にて。
この記事についての補足
性格悪めなことも含めていろいろ書いてきましたが、私が心の中で突っ込む対象は、クライアントから制作費やギャラをいただいているであろうプロのコピーや文章です。また、企業として公式にそのコピーを認めた担当者のチェック眼をちょっと心配してしまうのも事実です。
個人のブログや日記に対してはそのように思いません。私自身、このブログを細かく推敲しているわけでもなく、構成も揃っていません。職業を掲げたブログをつくっておいてどうなの?という批判はごもっともですが、これはプライベートの趣味のブログ。文章を仕事レベルで整えたり考えたりする義務も責任もないと考えています。
それから、エッセイや専門家の寄稿などの署名原稿は、文章の細部よりも、その人に書いてもらうこと自体やその人の言葉や情報そのものに価値があります。単に名前入りなだけで誰が書いてもそう変わらないような署名原稿はさておき、あるジャンルを30年追いかけている専門家、その有名人が発信する情報や意見なら読みたいというニーズがある方などの原稿は、上に挙げたような私がチェックするような表記の揺れや冗長さなんて二の次、コンテンツ自体に価値があります。よって、内容が伝わればよいのです。
それほどの方の原稿を掲載するならそれなりのメディアあるいは企業の販促物なので、文章を細部まで整える責務があるとするなら編集者や担当者に求めるべきでしょう。
もしこのブログを読んでいるあなたが、仕事として書く文章をもっとブラッシュアップしたい、あるいは文章をチェックする視点が知りたいという場合は、ここで挙げた点に気をつけると、文章の身だしなみがちょっとだけ整うかもしれません。
最後に(まとめ)
プロっぽさは細部にも宿る: 修飾語の位置や表記のゆれは、読む人によってはとても気になるポイント。ライティングする人はもちろんですが、チェックする立場の人も気づけるのが理想的です。
知らないうちに口語を入り込ませない: あえての場合を除き、頭に浮かんだままの言葉や書き起こしのような冗長な文章は素人っぽさを倍増させます。
例外もある:すべての文章に優等生らしさが求められるわけでもなく、発信者やコンテンツの種類によっては情報そのものに価値があります。

